小さなブランドを実際に販売してみて、考えたこと

STUDIO DiW

小さなブランドを実際に販売してみて、考えたこと

ブランドをつくる。

そう聞くと、まず何を思い浮かべるでしょうか。

ロゴをつくる。

ブランド名を決める。

カラーを決める。

パッケージをつくる。

写真を撮る。

Webサイトをつくる。

Instagramを開設する。

きれいに並べて、公開する。

もちろん、これもブランドをつくる大切な仕事です。

STUDIO DiWでも、実際にそうしたことをやっています。

でも、自分たちで小さなブランドをつくって、実際に商品を販売するようになってから、少し考え方が変わりました。

ブランドは、つくった時点ではまだ始まったばかりなのかもしれない。

むしろ、実際に人の前に商品を出してから、

「このブランドはどう育っていくのだろう」

ということを考えるようになりました。

目次

ブランド名を決めたときには、まだ誰もその名前を知らない。

これは、当たり前のことなのですが、ブランドをつくっている側にいると忘れやすいことでもあります。

自分たちで考えた名前は、何度も口にします。

ロゴを何度も見ます。

商品ページにも載せます。

SNSでも投稿します。

打ち合わせでも話します。

そうすると、いつの間にか、その名前が自分たちにとって当たり前になっていきます。

でも、お客さんにとっては初めて見る名前です。

Hapick Felishも、僕たちにとっては大切なブランド名です。

でも、初めて見る人にとっては、

「Hapick Felishって何?」

から始まります。

これはブランド名が悪いということではありません。

むしろ、ブランド名というものは、最初から意味を全部説明するためのものではないのだと思います。

名前は、これから積み重なっていくものでもある。

だからこそ、名前とは別に、

「これは何なのか」

を伝える必要があります。

ブランドには「名前」と「実体」の両方が必要だった。

実際に販売してみて感じたのは、ブランド名だけではブランドにならないということでした。

名前がある。

ロゴがある。

パッケージがある。

それだけでは、まだブランドの入口にすぎません。

その名前の商品を誰かが手に取る。

使ってみる。

誰かに話す。

また買う。

SNSで見かける。

イベントで見かける。

Webで確認する。

そうした経験が少しずつ積み重なって、

「ああ、これ知ってる」

になっていく。

さらに、

「これ、あのブランドの商品だよね」

になっていく。

ブランドというものは、ロゴやデザインだけではなく、そうした経験の積み重ねによってできていくものなのだと思います。

実際に売ってみると、「売れる」以外のことがたくさん起こる。

商品を販売すると、どうしても売上を見ます。

何個売れた。

いくら売れた。

どの商品が売れた。

もちろん、これは大切です。

事業として続けていくなら、売上は無視できません。

でも、実際にイベントに立っていると、売上以外にもたくさんの情報が入ってきます。

手に取ってもらえた。

でも買われなかった。

質問された。

説明したら納得してもらえた。

値段を見て戻された。

子どもが興味を持った。

大人は気になっているけれど、通り過ぎた。

別の商品を見ていた人が、あとから戻ってきた。

その場では買わなかったけれど、後からWebを見てくれた。

こういうことは、売上表だけではわかりません。

でも、ブランドを育てるうえでは、かなり重要な情報です。

「売れなかった」だけでは、何もわからない。

たとえば、商品が一つも売れなかったとします。

そこで、

「この商品は売れない」

と結論を出すこともできます。

でも、本当にそうでしょうか。

そもそも商品だと認識されていたでしょうか。

価格は見えていたでしょうか。

何の商品なのか伝わっていたでしょうか。

手に取る理由があったでしょうか。

その人に必要なものだったでしょうか。

見た場所が悪かったのでしょうか。

説明する人がいなかったからでしょうか。

イベントの客層が違ったのでしょうか。

季節が違ったのでしょうか。

「売れなかった」という結果の中には、いろいろな理由が隠れています。

だから僕たちは、売上だけで判断しないようにしています。

売れなかったことも、ひとつの結果。

でも、その結果の中身を見ることのほうが大事です。

小さなブランドには、「試して直す」ができる強さがある。

大きなブランドには、大きなブランドの強さがあります。

認知度がある。

販売網がある。

広告を打てる。

多くの人に届けられる。

一方で、小さなブランドだからこそできることもあります。

実際にお客さんと話せる。

自分たちで販売できる。

その日の反応を見て、次の出店で変えられる。

写真を変えてみる。

説明を変えてみる。

見せ方を変えてみる。

商品構成を変えてみる。

新しいものを試してみる。

反応を見て、また考える。

意思決定から実行までが近い。

これは、小さなブランドの大きな強みだと思います。

「完成させてから売る」だけではなくなった。

以前は、商品をつくるとき、

「ちゃんと完成させてから出そう」

という感覚が強くありました。

もちろん、最低限の品質や安全性、販売に必要な準備は必要です。

でも、すべてを完璧にしてからでないと出せない、と考えてしまうと、いつまでも現場に出られません。

実際に販売してみないとわからないことがある。

実際に人に見てもらわないとわからないことがある。

だから今は、

「必要なところまで整えたら、まず出してみる」

という考え方も大切にしています。

そして、出したあとに改善する。

これはWebサイトにも似ています。

公開したら終わりではなく、公開したからこそ見えるものがあります。

商品とWebは、別々に育つわけではない。

商品を販売すると、Webにも影響があります。

イベントで聞かれた質問を、商品ページに追加する。

会場で伝わりにくかったことを、写真で見せる。

よく聞かれることをFAQにする。

購入方法をわかりやすくする。

イベントで興味を持ってくれた人が、あとから調べられるようにする。

逆に、Webを見ていて気づいたことが、イベントでの見せ方に影響することもあります。

どの写真が見られているのか。

どの商品に興味を持たれているのか。

どんな言葉で検索されているのか。

どこから来ているのか。

そうした情報を、現場に戻す。

そして現場の反応を、またWebに戻す。

この循環が、僕たちにとってかなり重要になってきました。

ブランドは「伝えるもの」だけではなく、「体験されるもの」だった。

ブランドをつくる側から見ると、

「ブランドの世界観を伝えたい」

と考えます。

でも、お客さん側からすると、ブランドを体験しているだけなのかもしれません。

商品を見た。

手に取った。

店頭で説明を聞いた。

イベントで体験した。

SNSを見た。

Webを見た。

買ってみた。

家に持ち帰った。

誰かに見せた。

その一つひとつが、そのブランドとの接点になります。

だから、ブランドの世界観は、ロゴの中だけにあるものではありません。

商品の質感にもある。

写真にもある。

接客にもある。

説明の仕方にもある。

梱包にもある。

Webにもある。

イベントの雰囲気にもある。

自分たちが実際に販売するようになって、そのことを強く感じるようになりました。

だから「全部を完璧に揃える」必要はない。

ブランドをつくるというと、

Webサイトも必要。

SNSも必要。

ロゴも必要。

ショップカードも必要。

パッケージも必要。

ECも必要。

写真も必要。

イベントも必要。

……と、どんどんやることが増えていきます。

でも、小さなブランドが最初から全部を完璧に揃える必要はないと思っています。

むしろ大切なのは、

「今、このブランドに何が必要なのか」

です。

まず商品を知ってもらうことなのか。

販売場所をつくることなのか。

ブランドの存在を覚えてもらうことなのか。

商品そのものを改善することなのか。

実際にお客さんの反応を知ることなのか。

その時点の課題によって、必要なものは変わります。

ブランドをつくることは、選択の連続でもある。

実際に運営していると、毎回判断があります。

この写真でいいか。

この説明でいいか。

この価格でいいか。

この商品を残すか。

新しい商品を増やすか。

イベントに出るか。

ECに載せるか。

SNSでどう紹介するか。

どこまで自分たちでやるか。

誰にお願いするか。

こうした小さな判断の積み重ねが、ブランドをつくっていきます。

だから、ブランドづくりは、一度決めて完成するものではない。

運営そのものがブランドづくりになっていく。

そんな感覚があります。

自分たちで売ってみて、つくる側の視点が少し変わった。

STUDIO DiWでは、Web、ブランド、商品、EC、イベントなど、いろいろな領域を扱っています。

それぞれを別々の仕事として考えることもできます。

でも、自分たちで商品をつくって販売するようになると、それぞれがつながっていることがよくわかります。

商品がある。

だから写真が必要になる。

写真がある。

だからWebが必要になる。

Webがある。

だからSNSから案内できる。

イベントに出る。

そこで商品を知ってもらう。

会場で質問される。

その質問をWebに反映する。

また次のイベントに出る。

そこで別の反応がある。

また改善する。

この循環を見ると、

「Web制作」

「ブランド制作」

「EC制作」

「イベント企画」

と分けること自体が、少し違って見えてきます。

本当はひとつのプロジェクトの中で、全部つながっている。

小さなブランドだからこそ、現場を大切にしたい。

僕たちは、まだ大きなブランドを運営しているわけではありません。

だからこそ、できるだけ現場を見たいと思っています。

実際に商品を並べる。

実際に人と話す。

実際に質問を受ける。

実際に買ってもらう。

買われなかった理由も考える。

商品を持って帰ってもらう。

また次の場所に持っていく。

その繰り返しの中で、少しずつブランドが形になっていく。

きれいなブランドサイトをつくって終わりではない。

ロゴをつくって終わりでもない。

SNSを開設して終わりでもない。

実際に人の生活の中に入っていって、初めてわかることがあります。

「ブランドをつくる」から、「ブランドを育てる」へ。

最近、僕たちの中では、

「ブランドをつくる」

という言葉より、

「ブランドを育てる」

という言葉のほうがしっくりくるようになりました。

もちろん、最初には名前を決めます。

デザインもつくります。

商品もつくります。

Webもつくります。

でも、それはスタートです。

そこから、

誰かに知ってもらう。

手に取ってもらう。

買ってもらう。

使ってもらう。

感想をもらう。

改善する。

また届ける。

その積み重ねによって、ブランドが少しずつ育っていく。

そして、いつか誰かに、

「あ、それ知ってる」

と言ってもらえる。

そこまでいって初めて、名前と実体が結びついてくるのかもしれません。

STUDIO DiW自身が、実験台でありたい。

僕たちは、誰かに向けて、

「ブランドはこうつくるべきです」

と簡単に言いたいわけではありません。

実際には、やってみないとわからないことがたくさんあるからです。

だからこそ、自分たちでもやってみる。

商品をつくる。

販売する。

ECを運営する。

イベントに出る。

SNSで発信する。

Webを改善する。

そして、うまくいかなかったところも含めて、次に活かす。

それが今のSTUDIO DiWにとって、大切な実践になっています。

ブランドづくりも。

Webづくりも。

商品づくりも。

イベントづくりも。

結局は、誰かに届いて、使われて、選ばれて、初めてわかることがあります。

小さなブランドに必要なのは、最初から大きく見せることではない。

最後に、今の僕たちが小さなブランドを運営しながら感じていることを、ひとつ。

小さなブランドだからといって、大きく見せる必要はないと思っています。

できることを増やしていく。

一つの商品を丁寧につくる。

一人のお客さんの反応を見る。

一回のイベントから学ぶ。

一つの質問をWebに反映する。

一つの失敗を次に活かす。

そうやって積み重ねていけばいい。

ブランドの価値は、最初につくったロゴの中に全部入っているわけではありません。

これから出会う人たちとの間に、少しずつ積み重なっていくものなのだと思います。

僕たち自身も、まだその途中です。

だからこそ、これからも実際につくって、売って、届けて、考えていきたい。

「考える。つくる。届ける。動かす。育てる。」

STUDIO DiW自身が、それを実践しながら。

小さなブランドを育てるということが、どういうことなのか。

僕たちも、まだ答えをつくっている途中です。

STUDIO DiW

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