問い合わせを増やすホームページは、何が違うのか。
「ホームページからの問い合わせを増やしたい」
これは、かなりよく聞く相談です。
お問い合わせフォームを目立たせる。
ボタンを大きくする。
「お気軽にお問い合わせください」と書く。
LINEへのリンクを置く。
もちろん、こうした工夫も必要です。
でも、
それだけで問い合わせが増えるわけではありません。
なぜなら、
問い合わせボタンを押す前に、
「ここに相談して大丈夫かな」
という判断があるからです。
知らない会社に、
いきなり問い合わせる人は多くありません。
まず、
何をしている会社なのかを見る。
自分の相談に対応できるのかを見る。
どんな人がやっているのかを見る。
料金や条件を見る。
実績や事例を見る。
そのうえで、
「ここなら相談してみようかな」
となる。
つまり、
問い合わせを増やすホームページを考えるなら、
「問い合わせフォームをどうするか」
より先に、
「問い合わせるまでに、何を理解してもらう必要があるか」
を考える必要があります。
問い合わせは「最初の行動」ではない
ホームページを作るとき、
「ゴールは問い合わせ」
と考えることがあります。
もちろん、それは間違いではありません。
でも、訪問者の行動を考えてみると、
いきなり問い合わせるわけではありません。
検索する。
ホームページを見る。
トップページを見る。
サービスを見る。
事例を見る。
プロフィールを見る。
料金を見る。
SNSを見る。
またホームページに戻る。
そして問い合わせる。
場合によっては、
一度見ただけで問い合わせず、
数日後にもう一度訪れることもあります。
つまり、
問い合わせは、
いくつかの確認を終えた後の行動です。
「問い合わせたい」と思う前に「自分に関係がある」と思ってもらう
最初の段階では、
問い合わせたいと思ってもらう必要すらありません。
まず、
「これは自分に関係ありそう」
と思ってもらう。
たとえば、
「ホームページを作りたい」
と思って検索した人が、
「Web制作をしています」
という会社を見つけたとしても、
それだけでは足りません。
「小さな事業でも相談できるのかな?」
「今あるサイトの改善だけでもいいのかな?」
「ECも一緒に見てもらえるのかな?」
「Webに詳しくなくても大丈夫かな?」
こうした疑問に答えて、
初めて、
「ちょっと相談してみよう」
につながります。
「何をしているか」が3秒で分からない問題
問い合わせが来ないホームページには、
「そもそも何をしている会社なのか分かりにくい」
という問題があります。
デザインはきれい。
写真もいい。
文章も長い。
でも、
「結局、何を頼めるの?」
が分からない。
これはかなり大きな問題です。
トップページを見たとき、
少なくとも、
・何をしているのか
・誰のためのサービスなのか
・どんな相談ができるのか
が、ある程度分かる必要があります。
すべてを説明する必要はありません。
でも、
「自分に関係ありそう」
と思える入口は必要です。
「誰でも相談できます」は、逆に分かりにくい
よくある表現に、
「個人・法人問わず、幅広く対応します」
があります。
間違いではありません。
でも、
読む側からすると、
「自分のことなのか」
が分かりません。
たとえば、
「ホームページを作りたい小さな事業者」
「ECを始めたい店舗」
「活動情報を整理したい団体」
など、
具体的な相談場面を見せたほうが、
「これ、自分のことだ」
と判断しやすくなります。
ターゲットを狭くするというより、
「相談の場面を具体的にする」
という考え方です。
サービス名より「相談できること」
サービスページで、
「Webディレクション」
「ブランディング」
「デジタルマーケティング」
と書かれていても、
専門家には分かります。
でも、初めて見る人には分からないことがあります。
「それで、私は何を頼めるんですか?」
となる。
だから、
専門用語だけではなく、
「こんな相談ができます」
という言葉に変える。
たとえば、
・ホームページを新しく作りたい
・今のサイトを整理したい
・SNSとWebをつなげたい
・ECを始めたい
・商品をネットで販売したい
・イベントの情報をまとめたい
こうした表現です。
サービス名は専門家側の言葉。
相談内容はお客様側の言葉。
両方を置くことで、
理解しやすくなります。
問い合わせ前に「自分が対象か」を確認できるようにする
問い合わせをためらう理由の一つが、
「自分が相談していいのか分からない」
という不安です。
たとえば、
個人事業主でもいいのか。
小規模な相談でもいいのか。
旭川以外でもいいのか。
まだ事業を始めたばかりでもいいのか。
ホームページだけの相談でもいいのか。
こうしたことが書いてあれば、
問い合わせのハードルは下がります。
「何でもご相談ください」
だけではなく、
「こういう相談もできます」
と具体的に示す。
それだけでも違います。
料金が分からないと問い合わせにくい
問い合わせを増やしたいなら、
料金についても考える必要があります。
もちろん、
すべてのサービスに固定料金を設定できるわけではありません。
内容によって変わる仕事もあります。
でも、
「料金はお問い合わせください」
だけだと、
相談する側は、
「いくらかかるか分からない」
という不安を抱えます。
そこで、
・料金の目安
・最低料金
・プラン例
・料金が変わる条件
・見積もりの考え方
など、
分かる範囲で情報を出す。
大切なのは、
必ず価格表を作ることではありません。
「費用感を判断できる材料を渡すこと」
です。
問い合わせフォームは短ければいいのか
フォームも、
「入力項目を減らせば問い合わせが増える」
と言われることがあります。
これは一理あります。
でも、
名前だけ。
メールだけ。
では、
相談内容が分かりません。
逆に、
会社名。
住所。
電話番号。
予算。
希望納期。
詳しい事業内容。
競合。
担当者。
SNS。
など、
20項目もあれば、
「面倒だからやめよう」
となります。
必要なのは、
「問い合わせに必要な最低限の情報」
です。
たとえば、
・お名前
・メールアドレス
・相談内容
くらいから始める。
必要なら、
「予算」
「希望時期」
を追加する。
フォームは、
自分が情報を取りたいから長くするのではなく、
相談する人が送れる量にする。
ここも重要です。
「お問い合わせはこちら」だけでは弱いことがある
ボタンの文言も、
「お問い合わせ」
だけではなく、
「相談してみる」
「制作について相談する」
「ECについて相談する」
など、
次に何が起こるかが分かる言葉にできます。
ただし、
派手に煽る必要はありません。
「今すぐ問い合わせ!」
「急いで!」
「限定!」
のような表現が必要とは限りません。
重要なのは、
「このボタンを押すと、何ができるのか」
が分かることです。
問い合わせる前に「何が起きるか」を説明する
これも意外と大切です。
問い合わせたら、
何が起きるのか。
メールが返ってくる?
オンラインで話す?
電話が来る?
見積もりが出る?
まず相談だけ?
料金は発生する?
ここが分からないと、
問い合わせの心理的ハードルが上がります。
たとえば、
「お問い合わせ後、内容を確認して2営業日以内に返信します」
「まずは現在の状況を伺い、必要な内容をご案内します」
など、
問い合わせ後の流れを示す。
これだけでも、
「何をされるか分からない」
という不安を減らせます。
問い合わせ前の「FAQ」は営業資料になる
FAQも、
「よくある質問を載せるだけ」
ではありません。
問い合わせる直前に、
迷っていることを解消する場所です。
たとえば、
「まだ内容が固まっていなくても相談できますか?」
「ホームページだけの依頼もできますか?」
「既存サイトの修正もできますか?」
「遠方からでも相談できますか?」
「予算が決まっていなくても大丈夫ですか?」
こうした質問は、
実際の相談につながりやすい。
FAQは、
問い合わせを減らすためだけのページではありません。
「問い合わせていいか迷っている人」
の背中を押すページにもなります。
実績は「すごさ」を見せるためだけではない
事例ページについては、
前の記事でも書きました。
問い合わせにつなげる場合も、
事例の役割は、
「すごい会社だと見せること」
だけではありません。
むしろ、
「自分の相談に近いか」
を確認してもらう。
たとえば、
「小さな店舗のWebサイト」
「ECショップの立ち上げ」
「イベント告知サイト」
「既存サイトの整理」
など、
具体的なケースがあれば、
「これに近い相談をしてもいいんだ」
と思ってもらえます。
事例は、
信頼の証明であると同時に、
相談内容の具体例でもあります。
実績がないなら「仕事の進め方」を見せる
実績が少ない場合、
「何をやったか」
だけではなく、
「どう進めるか」
を見せる方法があります。
たとえば、
- 現在の状況を確認
- 課題を整理
- 必要な内容を決める
- 提案・見積もり
- 制作・設定
- 確認・公開
- 必要に応じて運用
という流れ。
これがあると、
「問い合わせたら、いきなり契約になるのかな」
という不安を減らせます。
仕事の進め方は、
実績が少ない事業者でも見せられる情報です。
「問い合わせる前の不安」を一つずつ減らす
結局、
問い合わせを増やすということは、
問い合わせボタンを押させることではありません。
問い合わせる前にある、
小さな不安を減らすことです。
何をしている?
↓
自分に関係ある?
↓
相談できる?
↓
いくらくらい?
↓
誰が対応する?
↓
実際にやったことは?
↓
問い合わせたらどうなる?
これらに答えていく。
すると、
問い合わせるという行動が、
「よく分からない会社に連絡する」
から、
「ここなら相談できそうだから聞いてみる」
に変わります。
問い合わせ数だけを追わない
ここも重要です。
問い合わせが10件来た。
でも、
9件がサービス対象外だった。
これでは、
単純に「問い合わせが増えた」
とは言えません。
逆に、
問い合わせが3件しか来なかった。
でも、
3件とも具体的な相談で、
そのうち2件が仕事につながった。
なら、
かなり良い状態かもしれません。
だから、
「問い合わせ数」
だけではなく、
・問い合わせの内容
・対象との一致
・成約率
・問い合わせまでの流入
・問い合わせ後の離脱
などを見る必要があります。
「アクセスが多いのに問い合わせが少ない」場合
ここで、
アクセス数と問い合わせ数を分けて考えます。
たくさんの人が来ている。
でも問い合わせがない。
この場合、
「もっとアクセスを増やそう」
と考える前に、
どこで止まっているのかを見ます。
サービスが分からない。
対象者が分からない。
料金が分からない。
事例がない。
問い合わせ方法が分からない。
問い合わせ後が不安。
あるいは、
そもそも検索している人が、
サービス対象ではない。
原因は一つではありません。
だから、
アクセスを増やすことだけが答えではありません。
「問い合わせが少ない」=「サイトが悪い」ではない
これも覚えておきたいところです。
問い合わせが少ない理由は、
サイト以外にもあります。
サービスそのもの。
価格。
市場。
認知度。
紹介。
地域性。
季節。
SNS。
営業活動。
ホームページだけで、
すべてを解決することはできません。
だから、
「問い合わせが少ないからリニューアルしましょう」
とすぐに決めるのではなく、
どこに問題があるのかを確認する。
これが先です。
問い合わせを増やすために「削る」こともある
ホームページ改善というと、
ページを追加することばかり考えがちです。
でも、
情報が多すぎる場合は、
削ったほうがいい。
似た説明が何度もある。
サービスが細かすぎる。
専門用語が多い。
古い情報が残っている。
終了したサービスが掲載されている。
こうしたものを整理する。
情報が少ないから問い合わせが来ないのではなく、
情報が多すぎて判断できない場合もあります。
「足す」だけではなく、
「整理する」。
これもWebディレクションの重要な仕事です。
SNSからホームページへ来た人は、何を見るのか
たとえばSNSで、
「イベントに出店します」
と投稿したとします。
そこで興味を持った人が、
ホームページを訪れた。
この人は、
会社概要から読みたいでしょうか。
おそらく、
イベント情報を探すでしょう。
逆に、
誰かから紹介されて、
会社名を検索して来た人は、
会社概要。
サービス。
プロフィール。
実績。
を見るかもしれません。
つまり、
同じホームページでも、
入口によって、
見たい情報が違います。
だから、
SNS→ホームページ
という導線を作るときは、
「どのページに着地させるか」
まで考える。
トップページに全部集める必要はありません。
問い合わせは「ホームページの最後」に置くものではない
よく、
ページの一番下にだけ、
「お問い合わせはこちら」
と置かれているサイトがあります。
もちろん、それでも機能することはあります。
でも、
サービスを読んで、
「これを相談したい」
と思った瞬間に、
問い合わせできるほうが自然です。
だから、
サービスページにもCTA。
事例ページにも関連するCTA。
料金ページにもCTA。
FAQにもCTA。
必要に応じて、
それぞれに次の行動を置く。
ただし、
全部を「問い合わせ」にする必要もありません。
資料を見る。
事例を見る。
サービスを見る。
SNSを見る。
など、
次の一歩を用意する。
これが導線設計です。
すべての訪問者を「問い合わせ」に送らなくていい
これも重要です。
まだ情報収集段階の人に、
いきなり問い合わせを求めても、
動かないことがあります。
その人には、
「事例を見る」
でいい。
まだ比較中なら、
「サービスを見る」。
SNSを見ている人なら、
「活動を見る」。
購入したい人なら、
「ECへ」。
つまり、
訪問者の状態によって、
次の行動を変える。
これが、
ホームページを「案内役」として考えるということです。
問い合わせを増やすホームページは、派手なホームページではない
問い合わせを増やすというと、
大きなボタン。
派手なアニメーション。
強いキャッチコピー。
を想像するかもしれません。
でも、
本当に大切なのは、
「迷わないこと」
です。
何をしているか分かる。
自分が対象か分かる。
料金の考え方が分かる。
誰がやっているか分かる。
実際の仕事が分かる。
問い合わせた後が分かる。
この状態なら、
デザインが派手でなくても、
問い合わせにつながります。
STUDIO DiWが考える「問い合わせにつながるWeb」
STUDIO DiWでは、
「問い合わせを増やしてください」
という相談を受けたときも、
いきなりボタンを大きくすることからは考えません。
まず、
今、どんな人が来ているのか。
何を求めているのか。
どこで迷っているのか。
何が分からないのか。
そして、
その事業が本当に増やしたいのは、
問い合わせなのか。
来店なのか。
購入なのか。
予約なのか。
相談なのか。
ここを確認します。
そのうえで、
必要な情報を整理する。
サービスを分かりやすくする。
事例を見せる。
料金の考え方を整理する。
問い合わせまでの流れを作る。
必要ならSNSやECともつなぐ。
つまり、
「問い合わせボタンを改善する」
のではなく、
「問い合わせできる状態をつくる」
という考え方です。
最後に
問い合わせを増やしたい。
そう思ったとき、
最初に考えるのが、
「問い合わせボタンをどこに置くか」
ではなくてもいい。
むしろ、
その前に考えることがあります。
このサイトは、
何をしている会社なのか分かるか。
自分が対象なのか分かるか。
何を相談できるか分かるか。
料金の目安が分かるか。
誰がやっているか分かるか。
実際に何をしてきたか分かるか。
問い合わせたら何が起きるか分かるか。
こうした情報がそろって、
初めて、
問い合わせという行動につながります。
問い合わせは、
ボタンから生まれるものではありません。
理解から生まれます。
「ここなら、自分の相談を聞いてくれそう」
「ここなら、話しても大丈夫そう」
「ここなら、必要なことを任せられそう」
そう思える材料が、
ホームページの中にある。
その結果として、
問い合わせボタンが押される。
だから、
問い合わせを増やすホームページとは、
派手なホームページではありません。
訪れた人が迷わず、
自分に必要な情報を見つけられて、
相談していいかどうかを判断できるホームページです。
そして、
もし今、
「問い合わせが来ない」
と悩んでいるなら、
いきなりホームページを作り直す必要はないかもしれません。
まず、
どこで人が止まっているのか。
何が分からないのか。
何が不安なのか。
そこを一つずつ見ていく。
Webサイトは、
人を無理に動かすためのものではありません。
判断するための材料を、
必要な順番で渡すためのものです。
その結果として、
「相談してみよう」
という自然な一歩が生まれる。
STUDIO DiWでは、
そんなWebサイトを、
事業そのものと一緒に考えていきます。
