プロフィールページは、自己紹介だけでいいのか。
ホームページをつくるとき、
「プロフィールページを作りましょう」
と言われることがあります。
名前。
経歴。
資格。
これまでの仕事。
得意なこと。
写真。
たしかに、プロフィールにはこうした情報が入ります。
でも、ここで少し考えてみたいことがあります。
プロフィールページは、本当に「自己紹介」をするためだけのページなのでしょうか。
僕は、少し違うと思っています。
ホームページを見ている人がプロフィールページを開くのは、
「この人は、どんな人なんだろう」
と知りたいからだけではありません。
むしろ、
「この人に相談して大丈夫かな」
「自分のことを理解してくれそうかな」
「書いてあることは、本当にこの人がやっていることなのかな」
という確認をしたいからです。
つまりプロフィールページは、
「自分を紹介するページ」
であると同時に、
「誰がこの仕事をしているのかを確認してもらうページ」
でもあります。
この違いは、けっこう大きいと思っています。
プロフィールに、全部の経歴を書く必要はない
プロフィールページを作ろうとすると、
「今までのことを全部書いたほうがいいですか?」
という話になりがちです。
生年月日。
出身地。
学歴。
職歴。
資格。
趣味。
好きなもの。
過去の仕事。
もちろん、必要な情報もあります。
でも、全部を書くことが信頼につながるとは限りません。
大切なのは、
「この人が今やっていることと、過去の経験がどうつながっているのか」
です。
たとえば、
「Web制作をしています」
だけでは、その人がどんな経験を持っているのか分かりません。
一方で、
「Webサイトの立ち上げだけでなく、ドメイン・サーバー・メール設定、ECサイトの運用、SNS、情報整理まで実際の現場で扱ってきた」
と書かれていれば、
「なるほど。この人はWebサイトを作るだけの人ではないんだな」
と理解できます。
経歴そのものより、
「今の仕事につながる経験」
を見せる。
これがプロフィールページでは重要です。
「何年やっています」だけでは、人柄も仕事も伝わらない
プロフィールでよく見かけるのが、
「Web業界○年」
「制作実績○件」
「○○の経験があります」
という書き方です。
もちろん、数字は分かりやすい情報です。
ただ、数字だけでは、
「だから、何を任せられる人なのか」
までは伝わりません。
たとえば、
「Web制作経験10年」
と書いてあったとしても、
ホームページを作ることが得意なのか。
ECが得意なのか。
企画が得意なのか。
ディレクションが得意なのか。
文章整理が得意なのか。
運用改善が得意なのか。
分かりません。
プロフィールで必要なのは、経験年数の羅列ではありません。
「その経験を、今どんな仕事に使っているのか」
です。
プロフィールページで最初に伝えるべきこと
プロフィールページの冒頭で、まず伝えたいのは、
「私はこういう人間です」
よりも、
「私は、こういう仕事をしています」
です。
これは冷たい話ではありません。
むしろ、初めて見る人にとって親切です。
たとえば、
「北海道旭川市を拠点に、WebサイトやSNS、EC、情報整理などを通じて、小さな事業や活動を形にする仕事をしています。」
という一文があれば、
何をしている人なのかが最初に分かります。
そのあとに、
なぜこの仕事をしているのか。
どんな経験があるのか。
どんなことを大切にしているのか。
を続ければいい。
プロフィールは、
「人柄 → 仕事」
ではなく、
「仕事 → 経験 → 人柄」
という順番でもいいのです。
人柄は、趣味だけで伝えるものではない
「プロフィールに人柄を入れましょう」
と言われることがあります。
そのため、
「趣味は映画鑑賞です」
「休日はカフェ巡りをしています」
「猫が好きです」
などを書くことがあります。
もちろん、それが悪いわけではありません。
でも、人柄は趣味だけで伝えるものではありません。
むしろ仕事に対する考え方のほうが、その人らしさが出ることもあります。
たとえば、
「分からないことを分からないまま進めない」
「必要以上に複雑な仕組みにしない」
「作って終わりではなく、その後に自分たちで扱える状態を考える」
こうした考え方からも、その人がどんな仕事をする人なのかが見えてきます。
プロフィールページに必要なのは、
「面白い人に見せること」
ではなく、
「一緒に仕事をしたときのイメージが持てること」
なのだと思います。
「できること」と「やったこと」は分けて考える
これは、特に実績がまだ多くない事業者にとって大切なポイントです。
ホームページでは、
「Web制作ができます」
「EC構築ができます」
「SNS運用ができます」
「ブランド設計ができます」
と書くことができます。
でも、
「実際に何をやってきたのか」
とは別の話です。
ここを混ぜないほうが、プロフィールは信頼されます。
たとえば、
できること
・Webサイト制作
・ECサイト構築
・SNS設計
・情報整理
実際に経験したこと
・WordPressサイトの立ち上げ
・ECショップの開設と商品登録
・SNSアカウントの設計
・イベントの告知ページ制作
・自社プロジェクトの企画、販売、運営
というように分ける。
「できます」と言うだけより、
「実際にこういうことをやってきました」
のほうが伝わります。
そして、この二つを正直に分けること自体が、信頼につながります。
実績が少ないなら「経験」を見せればいい
前の記事でも書いたように、
実績が少ないことと、
経験が少ないことは同じではありません。
クライアントワークがまだ少なくても、
自分でWebサイトを作った。
ECを運営した。
商品を作った。
イベントに出店した。
SNSを運用した。
オンラインショップを改善した。
ブランドを立ち上げた。
プロジェクトを動かした。
という経験はあります。
これは十分、プロフィールに書ける情報です。
たとえばSTUDIO DiWでも、
自分たちでWebをつくり、
ブランドをつくり、
商品をつくり、
ECを運営し、
イベントに出て、
SNSで発信する。
というところまで実際に動かしています。
だから、
「Web制作ができます」
だけではなく、
「自分たちでも、企画から制作、販売、イベント運営まで実際に動かしています」
と言える。
これはプロフィールとしてかなり重要な情報です。
資格は「持っていること」より「どう使えるか」
資格についても同じです。
プロフィールに、
「○○資格取得」
と並べるだけでは、その資格が仕事とどう関係するのか分かりません。
もちろん、専門職では資格そのものが重要な場合もあります。
ただ、資格が直接的な必須条件ではない仕事なら、
「その知識が今の仕事にどう役立っているのか」
まで説明したほうが伝わります。
資格は、
「私は勉強しました」
という証明だけではなく、
「こういう視点を持っています」
という情報にもできます。
ただし、関係の薄い資格を大量に並べる必要はありません。
プロフィールページは履歴書ではないからです。
過去の仕事は「年表」にしなくてもいい
経歴を書くとき、
2020年 ○○
2021年 ○○
2022年 ○○
2023年 ○○
と年表にする方法があります。
これは分かりやすい反面、
「それで今につながっているの?」
ということが見えなくなる場合があります。
年表を使うなら、
「現在の仕事につながった出来事」
を中心にしたほうがいいでしょう。
たとえば、
Web制作
↓
EC運営
↓
情報整理
↓
イベント運営
↓
プロジェクト全体を見る仕事
というように、
「何を経験して、今の仕事になったのか」
を見せる。
プロフィールページは過去の保存場所ではなく、
「今の自分がどうできているのか」
を理解してもらう場所です。
写真は、顔出しするかどうかだけではない
プロフィール写真についても、
「顔写真を載せたほうが信頼されますか?」
という相談があります。
もちろん、仕事によっては顔写真が大きな安心材料になります。
でも、顔写真を載せれば必ず信頼されるわけではありません。
写真と文章が一致していることのほうが重要です。
たとえば、
・仕事をしている様子
・イベントで活動している様子
・商品を扱っている様子
・打ち合わせの様子
・制作物と一緒に写っている写真
など。
「この人が実際に活動している」
ことが分かる写真は、プロフィールとの相性がいい。
プロフィール写真一枚だけより、
「活動している人」
として見える写真のほうが、仕事によっては強い証拠になります。
プロフィールページと実績ページは役割が違う
ここも混同しやすいところです。
プロフィールページは、
「誰がやっているのか」
を伝えるページ。
実績・事例ページは、
「何をやったのか」
を伝えるページ。
サービスページは、
「何を依頼できるのか」
を伝えるページです。
この3つは似ていますが、役割が違います。
たとえば、
PROFILE
↓
この人は何者なのか
SERVICE
↓
何を頼めるのか
CASE STUDY
↓
実際に何をやったのか
という関係です。
だから、プロフィールページに実績を全部詰め込む必要はありません。
逆に、実績ページにプロフィールを長々と書く必要もありません。
ページごとの役割を分けることで、ホームページ全体が読みやすくなります。
「想い」だけではプロフィールにならない
最近は、
「私たちの想い」
「大切にしていること」
「未来へのビジョン」
といった文章が、プロフィールの中心になることがあります。
もちろん、考え方は大切です。
でも、
「誰が」
「何をしていて」
「どんな経験があって」
「何を頼めるのか」
が分からない状態で、
「地域をもっと元気にしたい」
と書かれていても、読む側は判断できません。
想いは、事実の上に置いたほうが強い。
実際にやっていることがあって、
そこから生まれた考えがある。
その順番のほうが、言葉に説得力が出ます。
プロフィールは「信頼の確認ページ」でもある
ホームページを初めて訪れた人は、
最初から問い合わせるとは限りません。
サービスを読む。
料金を見る。
実績を見る。
プロフィールを見る。
SNSを見る。
いろいろなページを行き来しながら、
「ここは大丈夫そうかな」
と確認しています。
つまりプロフィールページは、
「自己紹介ページ」
というより、
「信頼確認ページ」
として機能することがあります。
特に、
・個人事業主
・小さな会社
・専門職
・地域の事業者
・コンサルタント
・クリエイター
・講師
・制作会社
など、
「誰がやっているのか」
が仕事の品質に関係する事業では重要です。
AI検索時代にも、プロフィールは重要になる
これはこれからさらに大きくなると思っています。
検索エンジンだけではなく、
AIに、
「この会社は何をしている?」
「この人は何が得意?」
「旭川でWebに詳しい人は?」
「このサービスをやっているのは誰?」
と質問する人が増えていきます。
そのとき、
会社名や名前だけが載っていても十分ではありません。
誰なのか。
どこを拠点にしているのか。
何をしているのか。
どんな経験があるのか。
どんなプロジェクトをしているのか。
こうした情報が、ホームページの中で明確になっていることが重要です。
これは、検索順位のためにキーワードを詰め込む話ではありません。
「その人・その会社が何者なのかを、正しく理解できる情報を置いておく」
という話です。
プロフィールページは、そのための重要な情報源になります。
小さな事業者ほど、プロフィールは丁寧に作ったほうがいい
大企業なら、
会社概要。
プレスリリース。
ニュース。
採用情報。
実績。
メディア掲載。
いろいろな場所から会社の情報を確認できます。
でも、小さな事業者の場合、
ホームページがほぼ唯一の公式情報源になることがあります。
だからこそ、
「誰がやっているのか」
をきちんと書いておく。
所在地。
活動地域。
名前。
役割。
経験。
事業内容。
現在の活動。
必要なものを、必要なだけ整理する。
これだけでも、かなり印象は変わります。
プロフィールページを作る前に、10個だけ整理する
プロフィールを書く前に、次の10個を書き出してみると整理しやすくなります。
- 今、何の仕事をしているか
- 誰を対象にしているか
- どんな相談を受けているか
- これまでに実際にやったこと
- 現在の仕事につながる過去の経験
- 持っている専門知識や資格
- 自分で運営している活動やプロジェクト
- 仕事をするときに大切にしていること
- どんな相談なら力になれそうか
- これから、どんな仕事を増やしていきたいか
これを先に整理すると、
「プロフィールを書かなきゃ」
という状態から、
「自分の仕事を説明できるようにする」
という状態に変わります。
実は、この作業そのものが事業整理にもなります。
プロフィールページは、事業者自身の「案内図」になる
プロフィールを書くと、
意外なことに自分自身が、
「自分って何をしているんだろう?」
と気づくことがあります。
いろいろな仕事をしてきた。
いろいろな経験がある。
いろいろなことができる。
でも、それを一つの文章にしようとすると、
「全部バラバラに見える」
ことがあります。
ここで無理に一つの肩書きにまとめる必要はありません。
むしろ、
「これまで何をしてきたか」
「そこから何ができるようになったか」
「今は何をしているか」
をつないでみる。
すると、
バラバラに見えていた経験が、
一つの流れとして見えてくることがあります。
プロフィールページは、他人のためだけに作るものではありません。
自分自身の仕事を整理するためにも使えるのです。
STUDIO DiWでは、プロフィールもプロジェクトの一部として考える
STUDIO DiWでは、
「プロフィールページだけ作りましょう」
という考え方ではなく、
「この人・このチームを、ホームページ全体の中でどう伝えるか」
を考えます。
ABOUTでは、
STUDIO DiWとは何か。
PROFILEでは、
誰が運営しているのか。
SERVICEでは、
何を相談できるのか。
PROJECTSでは、
どんなプロジェクトを動かしているのか。
ACTIVITIESでは、
実際にどんな活動をしているのか。
NEWSでは、
今何が起きているのか。
それぞれがつながっています。
だから、プロフィールページだけを立派にする必要はありません。
むしろ、
プロフィール
↓
サービス
↓
プロジェクト
↓
活動記録
と、実際の情報がつながっていることのほうが大切です。
「何者か分からない」は、才能の問題ではなく整理の問題かもしれない
小さな事業をしていると、
「自分は何屋なのか、うまく説明できない」
ということがあります。
Webもできる。
SNSもできる。
商品も扱っている。
企画もできる。
イベントもやっている。
一つの肩書きに収まらない。
でも、それは必ずしも悪いことではありません。
問題なのは、
「何をしている人なのか分からない」
状態のままになっていることです。
その場合、必要なのは新しい肩書きではなく、
「何をしてきて、今何をしていて、誰の何を手伝えるのか」
を整理することかもしれません。
プロフィールページは、その整理結果を外に見せる場所にもなります。
プロフィールは、盛るためのページではない
実績が少ない。
知名度がない。
大きな会社ではない。
そんなときほど、
プロフィールを立派に見せようとしてしまいます。
でも、必要なのは「大きく見せること」ではありません。
実際にやったこと。
実際に持っている経験。
実際にできること。
現在取り組んでいること。
これを正確に書く。
そして、
「ここまではできます」
「ここはこれからです」
という境界も必要なら見せる。
そのほうが、長く見れば強いプロフィールになります。
ホームページは「会社案内」から「理解してもらう場所」へ
ホームページを会社案内だと考えると、
プロフィールは代表者紹介の一項目になります。
でも、ホームページを、
「初めて会う人に、自分たちのことを理解してもらう場所」
と考えると、
プロフィールの役割が変わります。
何をしているのか。
なぜそれをしているのか。
どんな経験があるのか。
実際に何をしているのか。
どんなことなら相談できるのか。
それが分かれば、
「ちょっと相談してみようかな」
につながります。
プロフィールの目的は、
「自分を詳しく知ってもらうこと」
ではありません。
「この人なら相談できそうだ」
と判断できる材料を渡すことです。
最後に
プロフィールページは、
自分の人生を全部説明する場所ではありません。
自分を大きく見せる場所でもありません。
まして、立派な経歴を並べて、
「すごい人に見せる」
ためのページでもありません。
大切なのは、
「誰が」
「何をしていて」
「どんな経験があって」
「何を相談できるのか」
が分かること。
そして、
「実際に活動している人なんだな」
と確認できることです。
実績がまだ少なくても、
経験はあるかもしれない。
大きな会社でなくても、
実際に動かしているプロジェクトがあるかもしれない。
肩書きが一つに決まっていなくても、
これまでの経験をつなげれば、
今できることが見えてくるかもしれない。
プロフィールページは、
「自分を説明するページ」
であると同時に、
「自分の仕事を整理するページ」
でもあります。
そして、その整理ができたとき、
ホームページ全体も、少し分かりやすくなります。
何をしているのか。
誰がやっているのか。
何を頼めるのか。
実際に何をしてきたのか。
その四つがつながれば、
ホームページは単なる情報置き場ではなく、
「この人たちのことを理解するための場所」
になっていきます。
STUDIO DiWでは、Webサイトをつくるときも、
まず「何を載せるか」だけを考えるのではなく、
「見る人が、どこまで理解できれば次の一歩を踏み出せるのか」
から考えます。
プロフィールも、その一部です。
自分を飾るためではなく、
自分たちの仕事を、正しく伝えるために。
それが、プロフィールページの役割だと考えています。
