SNSのフォロワーが増えないことより、考えたいこと。
SNSを運営していると、どうしても気になる数字があります。
フォロワー数です。
Instagramならフォロワー。
Xならフォロワー。
Threadsならフォロワー。
Facebookならフォロワーやページのフォロー数。
数字が増えると、やっぱりうれしい。
逆に、なかなか増えないと、
「この発信、意味がないのかな」
「もっと頑張らないといけないのかな」
「投稿の内容が悪いのかな」
と考えてしまいます。
もちろん、フォロワー数はひとつの指標です。
たくさんの人に知ってもらいたい事業なら、フォロワーを増やすことが重要な場合もあります。
でも、
「フォロワーが多い=SNSがうまくいっている」
とは限りません。
そして、
「フォロワーが少ない=SNSが失敗している」
とも限りません。
ここは、Webサイトのアクセス数と少し似ています。
大切なのは、
「何人いるか」
だけではなく、
「誰とつながっているか」
「何をきっかけに関係が始まっているか」
「その先で何が起きているか」
です。
フォロワー1万人と100人、どちらがいいのか
たとえば、2つのアカウントがあるとします。
Aはフォロワー1万人。
Bはフォロワー300人。
数字だけなら、Aのほうが圧倒的です。
でも、Aのフォロワーの多くが、
・投稿をほとんど見ない
・事業の対象ではない
・商品を買う可能性がない
・地域が違う
・興味が一時的
だったらどうでしょう。
一方、Bの300人は、
・実際のお客さん
・地域の人
・同じ分野に関心がある人
・イベントに参加する人
・商品を購入する人
・仕事でつながる可能性がある人
だったとします。
この場合、事業にとって価値のあるつながりは、Bのほうかもしれません。
つまり、
「フォロワー数」と「事業にとっての価値」は、同じではありません。
そもそも、SNSは何のために使うのか
ここを考えないままSNSを始めると、
「とにかくフォロワーを増やそう」
となりがちです。
でも、本来はもっといろいろあります。
知ってもらう。
興味を持ってもらう。
活動を見てもらう。
商品を知ってもらう。
人柄を知ってもらう。
イベントを告知する。
お客さんと交流する。
既存のお客さんに情報を届ける。
問い合わせにつなげる。
ホームページへ誘導する。
ECへ誘導する。
採用につなげる。
同じSNSでも、目的は違います。
だから、
「フォロワーを増やす」
だけでは、SNSの目的を表現できません。
SNSは「流れていくメディア」
SNSの特徴は、情報が流れていくことです。
今日投稿した内容が、明日にはタイムラインの下に流れている。
1週間後には、ほとんどの人が見ていないかもしれません。
これはSNSの弱点のようにも見えます。
でも、実は大きな強みでもあります。
「今、こんなことをしています」
「今日、こんな商品ができました」
「今週末、イベントに出ます」
「こんな人と一緒に活動しました」
「こんなことがありました」
という、現在進行形の情報を届けられるからです。
ホームページが整理された情報を置く場所なら、
SNSは「今、動いていること」を伝える場所。
この違いを理解すると、SNSの使い方が変わります。
SNSに全部を載せなくていい
SNSを頑張っていると、
「全部SNSで説明しなければ」
と思ってしまうことがあります。
でも、全部をSNSだけで説明する必要はありません。
たとえば、
Instagramで商品を紹介する。
↓
詳しい仕様はホームページを見る。
↓
購入はECでする。
↓
購入後はLINEで案内する。
こうした流れでもいい。
イベントなら、
SNSで告知する。
↓
ホームページで日時・場所・内容を確認する。
↓
イベントに参加する。
↓
終了後、SNSで活動を報告する。
こういう流れもあります。
SNSだけですべてを完結させようとしない。
これも大切です。
フォロワーが少なくても「存在」は積み上がる
SNSのもうひとつの価値は、
「今すぐ反応されなくても、存在を知ってもらえる」
ことです。
たとえば、ある人が投稿を見た。
その場では何もしなかった。
数週間後、知人から紹介された。
「そういえば、前にSNSで見たことがある」
と思い出す。
そして検索する。
ホームページを見る。
商品を確認する。
問い合わせる。
この流れは珍しくありません。
SNSの投稿を見た瞬間に購入しなかったからといって、
「何の効果もなかった」
とは言えません。
認知というのは、そういう形で積み重なることがあります。
「いいね」が少ない=興味がない、でもない
SNSでは、反応数も気になります。
いいね。
コメント。
シェア。
保存。
再生数。
これらはもちろん参考になります。
でも、
「反応しない人=興味がない人」
とは限りません。
たとえば、
毎回投稿を読んでいるけれど、コメントはしない人。
イベントには毎回来てくれるけれど、SNSでは反応しない人。
商品を買ってくれるけれど、投稿にはいいねしない人。
こういう人もいます。
SNSは、
「反応する人だけが見ている」
わけではありません。
「静かなフォロワー」は意外といる
SNSを運営していると、
「この人、いつも見ているけど全然反応しないな」
という人がいるかもしれません。
でも、その人が、
・投稿を読んでいる
・活動を知っている
・必要なときに問い合わせる
・イベントに来る
・商品を買う
・誰かに紹介する
ということがあります。
SNSでは、
「見ているけれど反応しない」
人が一定数います。
だから、
「いいね数だけで判断する」
のは危険です。
もちろん、数字を見ることは大切。
でも、
数字に出ない行動もある。
この前提を持っておくと、SNS運営がかなり楽になります。
では、何を見ればいいのか
フォロワー数以外にも、見るべき数字があります。
たとえば、
投稿の閲覧数。
プロフィール閲覧。
リンククリック。
保存。
シェア。
DM。
問い合わせ。
ECへの流入。
イベントページへのアクセス。
実際の来店。
購入。
こうした数字です。
そして、ここでも大切なのは、
「何のためのアカウントなのか」
です。
認知が目的なら、リーチや閲覧。
関係づくりなら、コメントやDM。
販売が目的なら、商品ページへのアクセスや購入。
イベントなら、参加や来場。
採用なら、応募や問い合わせ。
目的によって見る数字が変わります。
SNSは「売る場所」と決めなくてもいい
SNSというと、
「商品を売らなければ」
と考えてしまう人もいます。
でも、SNSには、
「存在を知ってもらう」
という役割があります。
たとえば、毎日商品を売り込むのではなく、
商品の制作風景。
イベント準備。
スタッフの様子。
実際に使っているところ。
お客さんとのやり取り。
新しい企画。
活動の裏側。
こうした情報を発信する。
すると、
「この人たちは、こういうことをしているんだ」
という理解が生まれます。
そして必要なときに思い出してもらえる。
SNSの価値は、
「今すぐ売る」
だけではありません。
「思い出してもらえる状態を作る」
ことにもあります。
だから、投稿内容には役割を持たせる
SNS投稿を毎回、
「今日は何を書こう?」
から始めると疲れます。
それより、
「今日は何を伝える投稿なのか」
を決める。
たとえば、
・活動を知ってもらう
・商品を知ってもらう
・人を知ってもらう
・考え方を知ってもらう
・イベントを告知する
・実績を見てもらう
・お客さんとの関係を深める
・ホームページへ誘導する
などです。
全部の投稿に全部の役割を持たせる必要はありません。
今日は活動。
明日は商品。
次は人。
その次は考え方。
こうやって役割を分けると、発信に幅が出ます。
SNSごとに役割を変えてもいい
複数のSNSを使っているなら、
「全部に同じ投稿をコピーする」
必要もありません。
たとえば、
Xは考えや意見。
Threadsは会話や日常。
Instagramは写真や雰囲気。
Facebookは活動や実績。
というように、役割を変える。
もちろん、同じ内容を使っても構いません。
ただ、
「その場所にいる人は、何を見たいのか」
を考えると、投稿の作り方も変わります。
SNSはそれぞれ文化が違います。
だから、
「一つの文章を全部に貼る」
だけが運用ではありません。
SNSとホームページは競争相手ではない
よく、
「Instagramがあるからホームページはいらない」
という話があります。
逆に、
「ホームページがあるからSNSはいらない」
という考え方もあります。
でも、どちらか一方にする必要はありません。
SNSは、
「今、動いていることを伝える」
ホームページは、
「事業や活動を整理して確認してもらう」
という役割に分ければいい。
たとえば、
SNSでイベントを知る。
↓
ホームページで詳しい情報を見る。
↓
イベントに参加する。
↓
SNSで参加したことを知る。
↓
次のイベントを知る。
こうして循環します。
WebとSNSは、どちらかを選ぶものではなく、
「どうつなげるか」
で考えるものです。
フォロワーを増やすために、発信が不自然になっていないか
フォロワーを増やしたい気持ちは自然です。
ただ、
「フォロワーを増やすためだけの投稿」
が増えてくると、発信が少しずつ不自然になることがあります。
毎回、
「フォローしてください」
「保存してください」
「コメントしてください」
「シェアしてください」
ばかりになる。
あるいは、
本来の事業とは関係のない話題に乗り続ける。
短期的には数字が増えるかもしれません。
でも、
「このアカウントは何をしているのか」
がわからなくなります。
フォロワーを増やすことと、
「何のアカウントなのかを明確にすること」
は両立させたほうがいい。
「何者なのか」がわかるアカウントは強い
SNSを見た人が、
「この人は何をしている人なんだろう?」
「この会社は何をしているんだろう?」
と感じたとき、
プロフィールと最近の投稿を見れば、
ある程度わかる状態。
これはかなり重要です。
たとえば、
プロフィールでは「Web制作」と書いてある。
でも投稿のほとんどが日常の食事写真。
これでは、何をしている人なのか判断しにくい。
逆に、
仕事。
活動。
考え方。
実績。
人柄。
日常。
これらが適度に混ざっていると、
「こういう人なんだ」
と理解しやすくなります。
SNSは履歴書ではありません。
でも、
「今、何をしている人なのか」
を伝える場所にはなります。
投稿は「資産」でもある
SNSの投稿は流れていきます。
だから、
「投稿は消費されるだけ」
と思うかもしれません。
でも、過去の投稿を見返す人もいます。
プロフィールを見て、
「この人、最近どんな活動をしているんだろう」
と過去の投稿を見る。
すると、
イベントに出ている。
商品を作っている。
お客さんと交流している。
新しい企画をしている。
そんな履歴が残っています。
これは、活動の記録でもあります。
だから、
「何を投稿したか」
は、その時だけの話ではありません。
後から見た人に、
「この人はちゃんと活動している」
と伝える材料にもなります。
「何者か」を検索されたとき、SNSが役に立つ
SNSは検索の入口になることもあります。
誰かから名前を聞いた。
会社名を知った。
イベントで見かけた。
商品名を聞いた。
そこで検索する。
ホームページだけではなく、
Instagramを見る。
Facebookを見る。
Xを見る。
投稿を見る。
最近も活動していることがわかる。
こうした情報が重なることで、
「実際に動いている人なんだ」
という判断につながります。
だから、SNSは単なる集客ツールではありません。
「存在の証拠」
として機能することもあります。
小さな事業ほど「数」より「関係」を見る
大きな企業なら、
何十万人にリーチすることが必要な場合があります。
でも、小さな事業なら、
100人の地域のお客さん。
50人の既存顧客。
30人のリピーター。
20人の取引先。
10人のイベント参加者。
そういう関係のほうが重要なこともあります。
毎回投稿を見てくれる人。
イベントに来てくれる人。
商品を買ってくれる人。
紹介してくれる人。
相談してくれる人。
こうした人との関係は、フォロワー数には完全には表れません。
SNSは、
「人を数える場所」
ではなく、
「関係が積み重なる場所」
でもあります。
じゃあ、フォロワー数はどう扱えばいいのか
もちろん、無視する必要はありません。
フォロワー数が増えているなら、
「認知が広がっている」
可能性があります。
減っているなら、
「発信内容や対象を見直す」
きっかけになるかもしれません。
ただし、
フォロワー数だけで判断しない。
前月より100人増えた。
すごい。
では終わらせない。
「どんな人が増えた?」
「どの投稿から来た?」
「その人たちは事業の対象?」
「投稿を見てくれている?」
「問い合わせや購入につながった?」
まで見る。
そうすると、数字が意味を持ち始めます。
SNSの目的は「フォロワーを増やすこと」ではない
ここまで考えると、
SNSを始める目的が少し変わってきます。
フォロワーを増やす。
↓
必要な人に知ってもらう。
↓
活動を理解してもらう。
↓
興味を持ってもらう。
↓
必要なときに思い出してもらう。
↓
ホームページを見る。
↓
問い合わせる。
↓
購入する。
↓
イベントに来る。
↓
またSNSを見る。
こういう流れです。
すべての人がこの順番で動くわけではありません。
でも、
「SNSだけで全部やろうとしない」
という考え方は大切です。
SNSは、事業全体の中の一つの接点です。
STUDIO DiWが考えるSNS
STUDIO DiWでは、SNSを単純な「集客ツール」としてだけ考えていません。
プロジェクトが動いていることを伝える。
商品ができたことを知らせる。
イベントの情報を届ける。
人やチームを知ってもらう。
活動の履歴を残す。
考えていることを伝える。
そして、必要に応じてWebやECにつなぐ。
SNSは、
「動いているものを、動いているまま伝える」
ための場所だと考えています。
だから、完璧な投稿を毎回作ることより、
「今、何が動いているのか」
を伝えることを大切にします。
自分たちで商品を作り、
イベントに出て、
ECを運営して、
Webを更新して、
SNSで発信する。
そうやって実際に動かしてみると、
「SNSからWebへ来てもらうにはどうするか」
「イベント情報はどこに置くか」
「商品をどう見せるか」
「活動記録をどう残すか」
という問題が見えてきます。
SNSは、単独の施策ではありません。
プロジェクト全体の中で役割を持たせるものです。
フォロワーが増えないときに考えたい10のこと
最後に、フォロワー数が伸びないときに、すぐ投稿方法を変える前に考えてみたいことをまとめます。
1.そもそも誰に見てほしいのか
2.このアカウントは何を発信する場所なのか
3.プロフィールを見れば何者かわかるか
4.最近の投稿に一貫性があるか
5.事業や活動と投稿内容がつながっているか
6.SNSから次にどこへ行ってほしいのか
7.ホームページやECの情報は最新か
8.フォロワー以外にも投稿が届いているか
9.フォロワーは実際に事業と関係する人なのか
10.フォロワー数以外に、何が起きているか
この10個を見てから、
「どうやったらフォロワーが増えるか」
を考えても遅くありません。
数を増やすより、「思い出してもらえる存在」になる
SNSで本当に強いのは、
フォロワーが多いアカウントだけではありません。
必要なときに、
「あ、ここ知ってる」
と思い出してもらえるアカウント。
「この人に相談してみよう」
と思ってもらえるアカウント。
「この商品、前に見たことがある」
と思ってもらえるアカウント。
「今度イベントに出るんだ」
と知ってもらえるアカウント。
そういう存在です。
SNSは、一回の投稿ですべてを伝える必要はありません。
何度も見かける。
少しずつ知る。
活動がわかる。
人柄がわかる。
実際に動いていることがわかる。
そうして、
「知っている」
から
「気になる」
へ。
「気になる」
から
「必要になったら思い出す」
へ。
そして、
「相談してみる」
「買ってみる」
「行ってみる」
へ。
SNSの価値は、こうした積み重ねにもあります。
フォロワー数は、その一部を表す数字です。
でも、それがすべてではありません。
だから、
「フォロワーが増えない」
と感じたとき。
いきなり投稿を増やす前に、
「自分たちは、誰に知ってもらいたいんだろう?」
と考えてみる。
そして、
「その人に、何を知ってもらえたらいいんだろう?」
と考える。
その答えが見えてくると、
投稿する内容も、
SNSの使い方も、
ホームページとのつなぎ方も、
少しずつ変わってきます。
SNSは、人を集めるためだけの場所ではありません。
活動を伝え、
関係をつくり、
存在を積み重ね、
必要なときに思い出してもらうための場所でもあります。
数字を見る。
でも、数字だけを見ない。
これくらいの距離感でSNSと付き合うほうが、長く続けやすいのだと思います。
