Webサイトをつくったのに、なぜ更新されなくなるのか。
「ホームページをつくったけど、全然更新していません」
そんな話を聞くことがあります。
公開したときは、ちゃんとしていた。
写真も撮った。
文章も考えた。
ページもつくった。
「これでホームページができた」
そう思った。
ところが、しばらくすると更新が止まる。
新しい商品が出ても載っていない。
イベントを開催しても告知されていない。
営業時間が変わっても、そのまま。
ブログの最後の記事は、1年以上前。
そして本人は、
「更新しなきゃとは思ってるんですけど……」
と言う。
これは、本人のやる気がないからなのでしょうか。
私は、そうとは限らないと思っています。
むしろ、
「更新することまで考えずにWebサイトをつくってしまった」
ことが原因になっている場合があります。
「つくる」と「運営する」は別の仕事
Webサイト制作というと、
企画する
↓
デザインする
↓
制作する
↓
公開する
というところまでを考えがちです。
でも、本当は公開したところがスタートです。
Webサイトは、公開したあとも、
情報を追加する。
情報を変更する。
写真を入れ替える。
商品を追加する。
イベントを告知する。
活動を記録する。
問い合わせを確認する。
アクセスを見る。
必要なら改善する。
という仕事があります。
つまり、
「Webサイトをつくる」
ことと、
「Webサイトを運営する」
ことは別の仕事です。
なぜ更新できなくなるのか
更新されない理由はいくつかあります。
例えば、
・何を更新すればいいかわからない
・更新方法がわからない
・文章を書くのが大変
・写真を用意できない
・時間がない
・誰が担当するのか決まっていない
・更新する必要性を感じない
・そもそも更新する場所がない
などです。
ここで注目したいのは、
「やる気」
だけの問題ではないということです。
更新という作業が、
事業の中に組み込まれていない。
これが大きな原因になることがあります。
「更新してください」では解決しない
例えば制作会社から、
「公開後は定期的に更新してください」
と言われたとします。
正しい話です。
でも、
「何を?」
となります。
毎週ブログを書く?
新商品を追加する?
ニュースを書く?
写真を変える?
実績を載せる?
SNSの記事を転載する?
やることが決まっていなければ、結局止まります。
だから必要なのは、
「更新してください」
ではなく、
「何が起きたら、どこを更新するのか」
まで決めておくことです。
Webサイトには「更新する情報」と「更新しない情報」がある
ここを分けるだけでも、かなり楽になります。
例えば、
会社概要。
代表者情報。
事業内容。
サービスの基本説明。
アクセス。
こうした情報は、毎週変わるものではありません。
一方で、
イベント情報。
新商品。
営業日。
お知らせ。
活動記録。
キャンペーン。
こうしたものは変化します。
つまり、Webサイトの中には、
「基本情報」
と
「動く情報」
があります。
これを一緒に考えてしまうと、運営が難しくなります。
すべてのページを頻繁に更新する必要はない
ホームページをつくったら、
「毎月すべてのページを見直さなければ」
と思う必要はありません。
むしろ、
変わったところだけ更新する。
これでいい場合が多いです。
基本情報は、変更があったとき。
商品情報は、新商品や仕様変更があったとき。
イベント情報は、開催するとき。
活動記録は、活動したとき。
ニュースは、知らせることがあるとき。
こう考えると、Webサイトの運営はかなり現実的になります。
「更新するネタ」を探すから苦しくなる
ブログが続かない理由も、似ています。
「今週は何を書こう」
と考えるから、苦しくなります。
でも、
「今週、何をした?」
なら、少し違います。
新しい商品を登録した。
イベントに出た。
お客様から質問された。
サービス内容を変更した。
新しい場所で活動した。
仕事で気づいたことがあった。
こうした実際の出来事を記録する。
これなら、無理にネタをつくる必要がありません。
活動していれば、更新材料は自然に生まれる
例えばイベントに出店したとします。
事前には、
「○月○日に、○○で出店します」
というNEWSが書けます。
当日には、
イベントの様子をSNSで発信できます。
終了後には、
「こんな活動をしました」
という活動記録を残せます。
さらに、
そのイベントで人気だった商品を商品ページに反映する。
お客様から多かった質問をFAQに追加する。
次回イベントの案内につなげる。
ひとつの出来事が、複数の情報になります。
これが、
「活動とWebをつなげる」
という考え方です。
SNSとWebを別々に考えない
SNSは、日々の動きを伝えるのに向いています。
「今日こんなことがありました」
「今ここにいます」
「新商品ができました」
「イベントに出ています」
という情報です。
一方でWebサイトは、
「結局、どういう事業なの?」
を整理して確認する場所として使えます。
SNSは流れていく。
Webサイトは整理して残す。
この役割分担を考えると、SNSの投稿を全部ホームページに書き直す必要もありません。
すべてをWebに書く必要はない
ここも重要です。
例えば、
「今日、こんな天気でした」
という投稿を毎回Webサイトに載せる必要はありません。
SNSで十分です。
逆に、
「サービス内容が変わりました」
「新しい商品を販売します」
「会社の所在地が変わりました」
という情報は、Webサイトにも反映したほうがいい。
つまり、
「どこに残すべき情報なのか」
を判断することが大切です。
更新できる人がいない問題
もうひとつ、よくある問題があります。
「ホームページを更新できる人がいない」
という問題です。
制作した会社に毎回依頼する方法もあります。
それ自体は悪くありません。
専門的な変更なら、むしろ制作側に任せたほうがいい場合もあります。
ただ、
営業時間を変える。
イベント情報を追加する。
写真を1枚入れ替える。
お知らせを掲載する。
こうした簡単な更新まで、毎回外部に頼む必要があるでしょうか。
事業によっては、
「自分たちで更新できる部分」
を残しておいたほうがいい場合があります。
「自分で更新できる」と「全部自分でやる」は違う
ここも誤解されやすいところです。
自分で更新できるサイトをつくったからといって、
「全部自分でやってください」
という意味ではありません。
例えば、
日常的な情報更新は自分たち。
構成変更やデザイン変更は制作側。
大きなリニューアルはプロに相談。
という分担でもいい。
大切なのは、
「どこまで自分たちでやるのか」
を最初に決めることです。
更新方法も設計の一部
Webサイトの設計では、
見た目やページ構成だけでなく、
「どうやって更新するか」
も考える必要があります。
例えば、
イベントが多い事業なら、イベント情報を追加しやすくする。
商品が増えるなら、商品ページを増やしやすくする。
ニュースを頻繁に出すなら、NEWSを管理しやすくする。
活動記録を残したいなら、日付や場所が整理される構造にする。
これを後から考えるより、
最初から設計したほうが楽です。
「更新しやすさ」は見えないデザイン
デザインというと、
色。
文字。
写真。
余白。
レイアウト。
そういうものを思い浮かべます。
でも、
「更新しやすい」
というのも、ひとつのデザインだと思っています。
入力する場所がわかる。
写真を入れやすい。
文章を変更しやすい。
古い情報を整理しやすい。
新しいページを追加しやすい。
こうした裏側の設計も、Webサイトの使いやすさにつながります。
更新されないサイトは「情報が古い」のではなく「今が見えない」
Webサイトが更新されないと、
単純に情報が古くなるだけではありません。
「この事業、今もやっているのかな?」
と思われる可能性があります。
もちろん、毎日更新していなければ信用されないという話ではありません。
でも、
今どんな活動をしているのか。
最近どんなことをしているのか。
現在の商品やサービスは何なのか。
こうした情報が見えれば、
「ちゃんと活動している」
ことが伝わります。
だから更新は、
SEOのためだけの作業ではありません。
現在を伝えるための作業でもあります。
「更新されている=毎日投稿」ではない
ここも大切です。
毎日ブログを書く必要はありません。
毎日NEWSを書く必要もありません。
毎日ホームページを変更する必要もありません。
例えば、
半年に一度、大きな変更がある事業。
月に一度、新商品が出る事業。
毎週イベントがある事業。
それぞれ更新頻度は違います。
必要なのは、
「その事業の変化に合わせて情報が変わること」
です。
Webサイトに「役割」を持たせる
更新が続かないとき、
「更新頻度を上げよう」
と考える前に、
「このWebサイトは何のためにあるのか」
を見直してみるのもいいと思います。
例えば、
新規のお客様に事業を理解してもらう。
問い合わせ前に基本情報を確認してもらう。
商品の詳細を見てもらう。
イベント情報をまとめる。
活動の履歴を残す。
SNSから来た人に詳しい情報を見てもらう。
役割が決まれば、
何を更新するべきかも見えてきます。
Webサイトは「情報の倉庫」ではない
とにかく情報を詰め込んで、
「ここを見れば全部わかります」
というサイトをつくる必要はありません。
必要な情報を、
必要な人に、
必要なタイミングで、
わかりやすく届ける。
そのためにWebサイトがあります。
だから、
古い情報を大量に残すより、
今必要な情報を整理するほうが大切な場合もあります。
「更新しないページ」を決める
意外ですが、
「ここは基本的に更新しない」
と決めることも重要です。
例えば、
ABOUTは基本情報。
SERVICEはサービスの説明。
PROJECTSはプロジェクト紹介。
NEWSは最新情報。
ACTIVITIESは活動記録。
というように役割を分ける。
そうすると、
「この情報はどこに書けばいい?」
という迷いが減ります。
更新が続くサイトは、
更新作業がわかりやすいサイトでもあります。
STUDIO DiWでも、実際に動かしながら考えている
STUDIO DiWは、
Webサイトだけをつくって終わるスタジオではありません。
自分たちでも、
商品をつくる。
ECを運営する。
SNSを発信する。
イベントに出る。
企画を動かす。
活動を記録する。
そうしたことを実際にやっています。
だから、
「この情報は、どこに置けばいい?」
「この更新は、どれくらいの手間になる?」
「SNSとWebは、どう分けたらいい?」
ということを、実際の運用の中で考えています。
つくってから、わかることもある
Webサイトは、
公開前にすべてを正解にすることが難しいものです。
実際に公開して、
人に見てもらって、
問い合わせが来て、
商品を買ってもらって、
イベントに参加してもらって、
そこで初めて、
「ここがわかりにくい」
「この情報が必要だった」
と気づくことがあります。
だから、
最初から完璧にすることより、
「直せること」
も重要です。
Webサイトは完成品ではなく、道具
Webサイトをつくると、
「完成しました」
という感覚になります。
でも、
本当は道具です。
ハサミを買っただけでは仕事は終わりません。
パソコンを買っただけでも仕事は終わりません。
Webサイトも同じです。
事業のために使う道具です。
だから、
使いながら変えていけばいい。
更新できないなら、更新方法を小さくする
もし、
「毎月ブログを書くのは無理」
なら、
月1本ではなく、必要なときだけNEWSを書く。
それも難しいなら、
SNSを中心にして、Webには重要な情報だけ残す。
商品が少ないなら、
商品ページを無理に大量につくらない。
イベントが少ないなら、
イベント専用ページをつくらない。
つまり、
「できない運用をやめる」
ことも立派な設計です。
小さく始めて、必要になったら増やす
最初は、
基本情報。
サービス。
プロフィール。
問い合わせ。
これだけでもいい。
活動が増えたら、
活動記録を追加する。
商品が増えたら、
商品ページを追加する。
イベントが増えたら、
イベント情報を整理する。
ECを始めたら、
ショップにつなぐ。
こうやって、
事業と一緒にWebサイトを育てていく。
そのほうが、無理なく続きます。
更新できるWebサイトをつくるための5つの質問
最後に、Webサイトをつくる前に考えておきたいことをまとめます。
1.何が変化する事業なのか
商品?
イベント?
サービス?
営業時間?
活動場所?
まず、変化するものを把握します。
2.何を更新する必要があるのか
すべてのページを更新する必要はありません。
必要な場所だけを決めます。
3.誰が更新するのか
自分?
スタッフ?
制作会社?
それぞれの役割を決めます。
4.どのくらいの頻度で更新するのか
毎日なのか。
毎月なのか。
必要なときだけなのか。
事業に合わせて決めます。
5.更新できないときはどうするのか
ここも意外と重要です。
忙しい時期があっても、
「情報が古いまま放置されない仕組み」
を考えておく。
例えば、
SNSだけ更新する。
重要情報だけ更新する。
制作側に依頼する。
などです。
「更新しなきゃ」から卒業する
Webサイトの更新を、
義務にしてしまうと苦しくなります。
「毎月何本書かなきゃ」
「毎週更新しなきゃ」
ではなく、
「事業で何か変わったら、Webにも反映する」
くらいから始めてもいい。
新しいものが生まれたら載せる。
変わったら直す。
活動したら記録する。
必要なくなったら整理する。
それで十分な場合もあります。
つくって終わりにしないために
Webサイトは、
つくった瞬間が一番きれいで、
そのあと古くなっていくもの。
そう考える必要はありません。
事業が動けば、
Webサイトも変わる。
活動が増えれば、
情報も増える。
不要になれば、
整理する。
新しいことを始めれば、
新しいページをつくる。
そうやって、
Webサイトを事業の現在に合わせていく。
それが、
「運営するWebサイト」
だと思っています。
STUDIO DiW
STUDIO DiWは、北海道旭川市を拠点に、Web、ブランド、商品、EC、イベント、企画などを組み合わせ、アイデアを実際のプロジェクトとして形にしていくクリエイティブスタジオです。
共同代表は、松井良幸と山中綾子。
私たち自身も、Webサイトを運営し、商品をつくり、ECで販売し、SNSを発信し、イベントに出店しながら、実際のプロジェクトを動かしています。
だからこそ、
「どんなWebサイトをつくるか」
だけではなく、
「つくったあと、どう使うのか」
「誰が更新するのか」
「何を残して、何を流すのか」
まで含めて考えます。
ホームページをつくったけれど、更新できていない。
これからWebサイトをつくりたいけれど、運営できるか不安。
SNS、Web、ECの役割が整理できていない。
そんなときは、制作の前に一度、情報と運用を整理するところから始めることもできます。
