料金をホームページに載せるべきか。
「ホームページに料金を載せたほうがいいですか?」
Webサイトを作るとき、かなりよく出てくる質問です。
特に、
Web制作。
コンサルティング。
デザイン。
撮影。
士業。
美容・サロン。
修理・施工。
イベント。
オーダーメイド商品。
こうした「内容によって金額が変わる仕事」では、
「一律の料金なんて出せない」
ということがあります。
一方で、
「料金を書いたら、他社と比較されるのでは?」
「高いと思われたら問い合わせが来なくなるのでは?」
「安く見せないと売れないのでは?」
という不安もあります。
では、
料金はホームページに載せるべきなのか。
結論から言えば、
「必ず載せる」でも、
「絶対に載せない」でもありません。
重要なのは、
「見た人が、料金について判断できる状態になっているか」
です。
「料金を載せるか」より「価格の不安をどう減らすか」
たとえば、
「ホームページ制作 お問い合わせください」
とだけ書いてあったとします。
この場合、
「いくらなんだろう?」
という疑問が残ります。
10万円かもしれない。
30万円かもしれない。
100万円かもしれない。
問い合わせればわかる。
それはそうです。
でも、
「聞くのがちょっと怖い」
と思う人もいます。
特に初めて依頼する場合、
「相場がわからない」
「予算に合うかわからない」
「見積もりを取ったら断りづらそう」
という心理があります。
だから、
料金を完全に隠すことが、
必ずしも問い合わせを増やす方法ではありません。
「問い合わせてください」だけでは判断できない
もちろん、
案件ごとに内容が違う仕事なら、
「詳しい料金はお問い合わせください」
でも間違いではありません。
問題は、
それだけで終わってしまうことです。
たとえば、
「ホームページ制作 要相談」
だけ。
これでは、
どんな規模なのか。
何が含まれるのか。
どこから追加料金なのか。
何を基準に価格が決まるのか。
まったくわかりません。
そこで、
「価格の決まり方」
を説明する方法があります。
たとえば、
ページ数。
機能。
撮影の有無。
原稿作成の有無。
EC機能。
更新サポート。
既存サイトからの移行。
こうした条件によって変わる。
それがわかるだけでも、
価格への不安は減ります。
「価格表」と「料金の目安」は違う
ここは意外と重要です。
ホームページに載せる料金は、
必ずしも細かい価格表である必要はありません。
たとえば、
「基本プラン 〇〇円〜」
でもいい。
「簡易サイト 〇万円〜」
「標準的なサイト 〇万円〜」
「ECサイト 〇万円〜」
のように、
おおまかな価格帯を示す方法もあります。
あるいは、
「初回相談後に内容を確認して見積もり」
という仕組みにする。
つまり、
「正確な金額を公開する」
と、
「価格の目安を伝える」
は別のことです。
「○○円〜」には注意が必要
一方、
「○○円〜」
という表示にも注意があります。
たとえば、
「ホームページ制作 5万円〜」
と書いてある。
問い合わせてみたら、
「その金額では最低限のページしか作れません」
「必要な機能を入れると30万円です」
となったら、
見る側は、
「最初に書いてあった金額は何だったの?」
と思います。
これは価格そのものより、
「期待値とのズレ」
が問題です。
だから、
「○万円〜」
と書くなら、
「どんな内容なら、その金額になるのか」
も説明する。
これが大切です。
「安く見せる」ことと「わかりやすくする」ことは違う
料金を載せるとき、
「とにかく安く見せよう」
と考えてしまうことがあります。
でも、
価格競争をしたいのでなければ、
必ずしも安く見せる必要はありません。
大切なのは、
「この金額で何をしてくれるのか」
がわかることです。
たとえば、
10万円という価格だけを見ると、
高いか安いかわかりません。
でも、
「ヒアリング」
「情報整理」
「構成設計」
「デザイン」
「WordPress構築」
「公開設定」
まで含まれる。
となれば、
価格を判断する材料が増えます。
価格は単独ではなく、
「内容とのセット」
で見せるものです。
価格比較されるのは、悪いことなのか
「料金を載せると比較されるから嫌だ」
という考えもあります。
でも、
比較されること自体は悪いことではありません。
むしろ、
比較できる情報がないほうが、
見る側は困ります。
人は、
価格。
内容。
対応範囲。
実績。
人柄。
場所。
納期。
アフターフォロー。
などを見ながら、
「自分に合うか」
を判断します。
だから、
「比較されないように情報を隠す」
より、
「比較されたときに、価格以外も判断材料になる」
状態を作るほうが大切です。
「安い会社」と比べられてしまうなら
たとえば、
A社 10万円。
B社 20万円。
C社 30万円。
あなたが40万円だったとします。
料金だけ見れば、
「高い」
と思われるかもしれません。
でも、
A社はテンプレート中心。
B社はデザインのみ。
C社は企画・構成・制作まで。
あなたは、
ヒアリング。
事業整理。
構成設計。
文章整理。
デザイン。
制作。
公開後の改善。
まで含んでいる。
なら、
そもそも同じ商品ではありません。
だから、
「価格を隠す」
より、
「何が違うのかを伝える」
ほうが重要です。
「何にお金を払うのか」を説明する
価格を考えるとき、
「制作費」という言葉だけでは足りないことがあります。
実際には、
考える時間。
聞く時間。
整理する時間。
設計する時間。
作る時間。
確認する時間。
修正する時間。
公開する時間。
運用を考える時間。
などがあります。
特にWebでは、
「見た目を作る」
だけでは終わりません。
事業者が持っている情報を整理し、
見る人に伝わる形に変換する。
この作業そのものに価値があります。
だから、
「何にお金がかかっているのか」
を説明できると、
価格の納得感が変わります。
「無料相談」は必ずしも正解ではない
料金の話になると、
「まず無料相談」
という方法もよく出てきます。
もちろん、
無料相談が有効なケースはあります。
でも、
すべてを無料にする必要はありません。
無料でできる範囲。
有料で対応する範囲。
正式な制作や支援の範囲。
これを整理します。
「ちょっと聞きたい」
という相談と、
「事業の現状を整理して具体的な提案をしてほしい」
では、
必要な時間が違います。
そこを全部無料にすると、
提供する側が疲弊します。
無料で「入口」を作る
たとえば、
「お問い合わせ」
と、
「相談」
を分ける方法があります。
お問い合わせ
→ 質問や確認
相談
→ 現状を聞いて、必要なことを整理
制作依頼
→ 見積もり・契約
という形です。
さらに、
「初回30分の相談」
など、
時間を区切る方法もあります。
これなら、
相談する側も、
どこまで話せるのかがわかります。
「見積もり無料」も設計が必要
見積もりを無料にする場合も、
どこまで無料なのかを決めておきます。
簡単な内容確認だけなのか。
ヒアリングまで含むのか。
具体的なサイト構成案まで作るのか。
競合調査まで行うのか。
ここを曖昧にすると、
見積もりを作るために何時間もかかってしまいます。
特に、
「提案書を作ってください」
「サイトマップも作ってください」
「デザイン案も見たいです」
となってくると、
それはもう単なる見積もりではありません。
提案そのものです。
「無料」と「安い」は違う
ここも分けて考えます。
無料相談がある。
↓
だから安い。
ではありません。
入口を無料にして、
本格的な仕事には適切な料金を設定する。
これは普通にできます。
逆に、
最初から最後まで安くする必要はありません。
価格を下げることより、
提供する範囲を明確にする。
そのほうが健全です。
「料金ページ」は営業資料でもある
料金ページは、
単に価格を書く場所ではありません。
サービスの考え方を伝えるページでもあります。
たとえば、
「制作費 30万円」
だけでは、
数字しかありません。
でも、
「まず現在の事業や目的を確認し、必要なページや機能を整理したうえで制作します」
と書けば、
仕事の進め方がわかります。
つまり、
料金ページを見ることで、
「この人はどういう仕事をするのか」
まで理解できます。
これは大きな意味があります。
料金ページに入れたい情報
料金を掲載するなら、
次のような情報を検討できます。
・サービス名
・料金または料金の目安
・含まれる内容
・含まれない内容
・追加料金が発生する条件
・制作期間の目安
・支払い方法
・修正回数
・公開後のサポート
・問い合わせから開始までの流れ
・よくある質問
全部を必ず載せる必要はありません。
でも、
「あとから聞かないと何もわからない」
状態は避けたい。
「追加料金」が怖い
依頼する側が不安になるのが、
「あとからどんどん料金が増えるのでは?」
ということです。
だから、
追加料金が発生する条件を明確にします。
たとえば、
ページ追加。
特殊機能。
原稿作成。
写真撮影。
有料プラグイン。
外部サービス。
大幅な仕様変更。
こうしたもの。
最初から全部を正確に予測する必要はありません。
「こういう場合は追加になることがあります」
と説明しておくだけでも違います。
「何が含まれるか」を書く
逆に、
「ここまでは料金に含まれます」
も重要です。
たとえば、
トップページ。
下層ページ5ページ。
お問い合わせフォーム。
スマートフォン対応。
基本的なSEO設定。
公開作業。
など。
もちろん、実際のサービス内容に合わせます。
こうした情報があると、
「この価格なら何ができるのか」
が見えてきます。
「制作料金」と「維持費」は分ける
Webサイトでは、
制作費だけでなく、
公開後にも費用がかかることがあります。
サーバー。
ドメイン。
有料テーマ。
プラグイン。
保守。
更新代行。
広告。
予約システム。
ECサービス。
など。
これを全部、
「ホームページ料金」
として一括で考えるとわかりにくくなります。
だから、
初期費用。
月額費用。
必要に応じて発生する費用。
を分けます。
「月額○万円」の意味を確認する
月額制のWebサービスもあります。
これも、
「月額○万円」
だけでは判断できません。
何が含まれているのか。
更新は何回までか。
サポートはあるのか。
解約したらサイトはどうなるのか。
データはどうなるのか。
ドメインは誰のものか。
こうした点も重要です。
価格だけで比較すると、
安いけれど自由度が低い。
高いけれど手厚い。
という違いを見落とします。
価格を隠すと「高そう」に見えることもある
意外ですが、
料金がまったくわからないことによって、
「きっと高いんだろうな」
と思われることがあります。
特に、
高級感のあるデザイン。
実績が見えない。
説明が少ない。
問い合わせしかない。
こうなると、
「自分には無理かも」
と判断される可能性があります。
だから、
高価格帯だからこそ、
「どういう考え方で価格が決まるのか」
を説明する価値があります。
逆に「安すぎる」ことも不安になる
「とにかく安く」
という価格設定にも、
別の問題があります。
ホームページ制作が、
「3万円」
と書いてあった。
安い。
でも、
何をしてくれるのかわからない。
すると、
「本当に大丈夫?」
と思われることがあります。
価格は、
安ければ安心されるわけではありません。
適切な価格と、
適切な説明。
この組み合わせが重要です。
「価格」ではなく「判断材料」を増やす
ホームページに料金を載せる目的を、
「安く見せる」
「高く見せる」
「競合より安くする」
と考えると、
価格競争に入りやすくなります。
そうではなく、
「判断できるようにする」
と考えます。
価格。
内容。
対象。
期間。
進め方。
事例。
担当者。
サポート。
これらを合わせて、
「自分に合っているか」
を判断してもらう。
これが料金ページの役割です。
「価格を出せない」なら、出せない理由を書く
どうしても価格を固定できない仕事もあります。
その場合、
「お問い合わせください」
だけではなく、
「内容によって作業量が大きく異なるため、事前に内容を確認して個別にお見積もりしています」
と説明する。
さらに、
「これまでの相談例」
「価格が変わるポイント」
「最低限必要になる費用」
などを示す。
すると、
「なぜ価格が決まっていないのか」
がわかります。
説明できることは、
できるだけ説明する。
これだけでも印象は変わります。
「予算を聞く」のも悪いことではない
問い合わせフォームに、
「ご予算」
という項目を入れることがあります。
これを嫌がる人もいます。
「予算を聞かれたら、高い金額を提示されそう」
と思うからです。
一方で、
提供側からすると、
予算がわかれば提案しやすい。
ここでも、
聞き方が重要です。
「ご予算を教えてください」
ではなく、
「現時点で想定しているご予算があればご記入ください」
「未定の場合は未定で構いません」
など、
回答しなくてもいい余地を残す。
これだけでも心理的な負担は変わります。
価格は「選別」にもなる
料金を公開すると、
問い合わせが減る可能性があります。
でも、
それは必ずしも悪いことではありません。
たとえば、
予算が合わない人が事前に判断できる。
内容が合わない人も判断できる。
すると、
問い合わせの段階である程度整理されます。
つまり、
料金を公開することは、
「集客」だけではなく、
「ミスマッチを減らす」
役割もあります。
「問い合わせを増やす」と「無駄な問い合わせを減らす」は両立する
ここは重要です。
Webサイトを、
問い合わせ件数だけで評価すると、
「とにかく問い合わせを増やそう」
となります。
でも、
10件のうち8件が、
「思っていたより高い」
「そんなサービスだとは思わなかった」
「予算が合わない」
なら、
対応する側は疲れます。
それより、
事前に必要な情報を出して、
3件のうち2件が、
「話を聞きたい」
となるほうが、
事業としては良い場合があります。
「料金ページ」は営業の効率も変える
料金やサービス内容が整理されていると、
問い合わせを受けた後の説明も楽になります。
「詳しくはこちらをご覧ください」
と案内できます。
営業資料としても使えます。
メールにも貼れる。
SNSからも案内できる。
見積もり前の説明にも使える。
つまり、
一度作った料金ページが、
繰り返し使える情報資産になります。
価格だけではなく「選び方」を書く
さらに一歩進めるなら、
「どんな人に、どのプランが向いているか」
を書きます。
たとえば、
「まず小さく始めたい方」
「既存サイトを整理したい方」
「新しく事業を立ち上げたい方」
「ECまで整えたい方」
など。
料金だけでなく、
「自分はどれを選べばいい?」
を判断できるようにします。
これは、
単なる価格表より役立つことがあります。
「全部入りプラン」は本当に必要なのか
サービスを売るために、
「全部入り」
を作りたくなることがあります。
Web。
SNS。
写真。
動画。
広告。
EC。
LINE。
全部まとめて。
もちろん必要ならいい。
でも、
すべての人に必要とは限りません。
小さな事業なら、
「今必要なところだけ」
を選べるほうが合理的なこともあります。
たとえば、
Webサイトだけ。
ECだけ。
情報整理だけ。
SNS導線だけ。
という相談もあり得ます。
小さな事業ほど「必要なものだけ」が大切
限られた予算で、
すべてを完璧にするのは難しい。
だから、
「今何が必要なのか」
を決める。
そして、
必要になったら追加する。
この考え方のほうが、
事業者にとって無理がありません。
Webサイトも、
最初から20ページ作らなくてもいい。
ECも、
商品が3つなら3商品から始めてもいい。
SNSも、
全部のSNSをやらなくていい。
価格も、
必要な情報から少しずつ公開すればいい。
STUDIO DiWが考える料金の見せ方
STUDIO DiWでは、
「いくらで作れますか?」
という質問に対して、
単純にページ数だけで価格を決めるとは限りません。
なぜなら、
同じ5ページのWebサイトでも、
必要な仕事が違うからです。
事業内容を整理する必要がある。
文章を一緒に考える必要がある。
既存情報を整理する必要がある。
写真を用意する必要がある。
ECを組み込む必要がある。
SNSとの導線を考える必要がある。
公開後の更新方法まで考える必要がある。
だから、
「何ページだから○万円」
だけではなく、
「何を実現するためのWebサイトなのか」
から考えます。
そのうえで、
必要な作業を整理する。
必要なものだけ組み合わせる。
これが、
小さな事業に対して無理のないWebを考える方法だと思っています。
「価格を載せるか」ではなく「判断できるか」
結局、
料金をホームページに載せるべきか。
その答えは、
「見る人が、自分に合うかどうか判断できる情報を出せるか」
です。
固定料金が出せるなら出す。
目安なら目安を出す。
案件ごとなら、
価格が変わる理由を説明する。
どうしても事前に決められないなら、
問い合わせ後の見積もりの流れを明確にする。
つまり、
「価格を隠す」
か、
「価格を全部公開する」
か、
という二択ではありません。
その間には、
かなりたくさんの方法があります。
ホームページは「価格を伝える場所」でもある
価格というのは、
単なる数字ではありません。
その事業が、
何を提供しているのか。
どこまで対応するのか。
どんな人を対象にしているのか。
どんな仕事の進め方をするのか。
そうしたことが、
価格の周りに表れます。
だから、
料金ページを作ることは、
価格表を作ることだけではありません。
自分たちのサービスを整理することでもあります。
「何に対して、お金をいただいているのか」
を考える。
「どこまでが仕事なのか」
を決める。
「何を追加料金にするのか」
を決める。
「どんな相談を受けたいのか」
を決める。
その結果として、
料金が見えてくる。
価格は「安くするため」に決めるものではない
最後に。
料金をホームページに載せるとき、
「どうすれば安く見えるか」
から考えなくてもいい。
むしろ、
「どうすれば、自分たちの仕事を正しく理解してもらえるか」
から考える。
価格が高いなら、
高い理由を説明する。
安いなら、
なぜその価格でできるのかを説明する。
固定できないなら、
何によって変わるのかを説明する。
そして、
「この内容ならお願いしたい」
と思った人に、
問い合わせてもらう。
それでいいのだと思います。
ホームページに料金を載せる目的は、
価格競争をすることではありません。
見る人が、
「自分に合うサービスなのか」
「予算に合うのか」
「何をしてもらえるのか」
を判断できるようにすること。
そして、
提供する側も、
「自分たちが責任を持って提供できる範囲」
を明確にすること。
価格を考えることは、
実はサービスそのものを考えることでもあります。
だからこそ、
料金ページは、
最後に適当に作るページではなく、
事業の形を整理するための大切なページの一つなのです。
